「太っているわけじゃないのに、なぜかくびれがない…」
「仰向けに寝ると、おっぱいよりも肋骨の方が高く出っ張って、骨がゴツゴツしている」
「タイトな服を着ると、胸は余裕なのにアンダーバストだけが締め付けられて苦しい」
こんな不思議な違和感、感じたことはありませんか?
一生懸命腹筋をしても、食事制限をしても、この「肋骨の出っ張り」だけはどうにもならない。
実はそれ、脂肪のせいでも筋肉不足のせいでもありません。
リブフレア(肋骨の開き)という、骨格のエラーが原因かもしれません。
今回は、多くの40代女性を寸胴に見せている「パカッと開いた肋骨」の正体と、ピラティスの呼吸法を使って根本から締める方法を解説します。
結論:腹筋運動は逆効果!「呼吸」で骨を動かそう
結論から言います。
肋骨の出っ張り(リブフレア)を治したいなら、一般的な腹筋運動(上体を起こす動き)は今すぐやめてください。
なぜなら、自己流の腹筋は「お腹の表面(アウターマッスル)」を固めるだけで、肋骨を開いたまま固定してしまうリスクがあるからです。
開いたまま固まった骨格の上に筋肉をつけても、さらに体が分厚くなるだけです。
リブフレアを治す唯一の方法。
それは、筋トレで固めることではなく、正しい呼吸で肋骨という骨格を内側に動かすことです。
肋骨は、呼吸に合わせて開いたり閉じたりする「カゴ」のような骨です。
ピラティスの呼吸法を使って、開きっぱなしになったカゴを、内側から丁寧に閉じていく。
これさえできれば、苦しい腹筋をしなくても、アンダーバストは勝手に細くなっていきます。
あなたは大丈夫?「リブフレア」のセルフチェック
「私のこの出っ張り、本当にリブフレアなのかな?」
まずは、あなたのその「出っ張り」が骨格の問題なのかどうか、チェックしてみましょう。
以下の項目に「あるある!」と思ったら、要注意です。
- 鏡で横を向くと、ウエストより肋骨が前に張り出している
- 深呼吸をすると、胸ではなく肋骨が「ガバッ」と開いて肩が上がる
- ハイウエストのパンツを履くと、お腹は入るのに肋骨が食い込んで苦しい
- 写真で見ると、胸より下の骨が出っ張っていて「反り腰」っぽく見える
いかがでしたか?
「私のことだ…」と思った方も安心してください。
これは骨の変形ではなく、あくまで「開いたまま固まっているだけ」なので、正しい動かし方を覚えれば必ず閉じます。
特に40代以降は、背中の筋肉が硬くなることで肋骨が閉じにくくなり、この状態になっている人が非常に多いのです。
なぜ「腹筋」では治らないの?
多くの人がやりがちな間違いが、「お腹が出ているから腹筋しよう!」という思い込みです。
しかし、普通の腹筋運動と、ピラティスの「肋骨締め」は全く別物です。
違いを比較してみましょう。
| 比較 | 普通の腹筋 | ピラティスの肋骨締め |
|---|---|---|
| 使う筋肉 | アウター(表面) | インナー(深層) |
| お腹の状態 | ぽっこり膨らむ | 薄く引き締まる |
| 肋骨 | 開いたまま固まる | 息を吐いて閉じる |
普通の腹筋は、お腹の表面にある「腹直筋」を縮める動きです。
この時、お腹がポコッと膨らんだまま力を入れてしまうと、内側からの圧力で肋骨はさらに外へ広がろうとします。
これでは、やればやるほど寸胴に近づいてしまいます。
一方、ピラティスは「コルセット筋」と呼ばれる深層の筋肉(腹横筋)を使います。
息を吐ききる力で、肋骨を物理的に内側へスライドさせていくのです。
骨を動かすのは「筋力」ではなく呼吸のコントロールです。
ピラティス流!肋骨を締める「感覚」の掴み方
では、どうすれば肋骨は閉じるのでしょうか。
ピラティスのレッスンでよく使われる魔法の言葉(キューイング)をイメージしながら、一緒にやってみましょう。
座ったままでも、仰向けでもOKです。
「風船の空気を抜くように」
まず、鼻から息を吸って、肋骨という風船を大きく膨らませます。
そして、口から「はぁ〜」と息を吐きながら、その風船の空気が「シューッ」と抜け、しぼんで小さくなっていく様子をイメージしてください。
無理にギュッと力を入れるのではなく、空気が抜けて自然と中心に寄っていく感覚です。
最後の一滴まで空気を絞り出す時、肋骨が一番小さくなります。
「チャックを下から上へ閉め上げる」
きついジーンズのチャックを閉める時を想像してください。
お股の部分(骨盤底筋)から、おへそ、そして肋骨の下まで、一本のファスナーを「ジーッ」と引き上げるように息を吐ききります。
下から内臓を持ち上げるようにお腹を薄くすると、肋骨がパカッと開くのを防げます。
「背中をマットに溶かす」
これは仰向けの時に意識してみてください。
リブフレアの人は、肋骨の後ろ側(背中)が浮いて反り腰になっています。
息を吐きながら、みぞおちの裏側を、床に「ジュワ〜」と溶け込ませるように沈めてみてください。
背中が床にピタッと密着すると、物理的に肋骨の前側が閉じやすくなります。
「どうしても感覚が分からない」あなたへ
「頭ではわかるけど、やってみると息が止まっちゃう…」
「背中がガチガチすぎて、マットに沈む感覚が分からない」
そう感じるのは当然です。
何十年も開いたままだった骨を動かすのは、最初はとても難しいものです。
そんな時は、無理に呼吸だけで頑張ろうとせず、2つのステップで解決しましょう。
ステップ1:まずは「背中」をほぐす
肋骨が閉じない原因の多くは、背中の筋肉が硬すぎて、肋骨の動きをロックしてしまっていることです。
呼吸の練習をする前に、フォームローラーで背中や脇の下をコロコロほぐしてあげましょう。
背中が緩めば、カゴ(肋骨)は勝手に動きやすくなります。
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脇の下のほぐし方はこちらで解説しています。
ステップ2:「プロの誘導」で呼吸を覚える
呼吸法は、自己流だと間違った癖がつきやすい、一番難しいパートです。
YouTubeの動画を見様見真似でやるよりも、一度オンラインレッスンなどで先生のカウントに合わせて呼吸する体験をするのが最短の近道です。
「SOELU」などのオンラインピラティスなら、自宅にいながらインストラクターが
「今、肩が上がってますよ〜」
「もっと吐いて〜!」と声をかけてくれます。
一度「あ、肋骨が閉まるってこういうことか!」という感覚を掴めれば、あとは自分でいつでもできるようになります。
まとめ:肋骨が締まれば、くびれは勝手にできる
リブフレアは、見た目が悪いだけでなく、呼吸が浅くなり、自律神経の乱れや肩こりの原因にもなります。
でも、諦めないでください。
骨はいくつになっても動かせます。
きつい腹筋はやめて、今日から深い呼吸で肋骨を優しく閉じてあげること。
それだけで、ゴツゴツしていたアンダーバストが滑らかになり、憧れのくびれが蘇りますよ。
気づいた時に「ふぅ〜っ」と吐く習慣、始めてみませんか?