お風呂に入る前、脱衣所の鏡に映った自分のお腹を見て、ドキッとしたことはありませんか?
「あれ? 私のおへそ、こんな形だったっけ…?」
若い頃は縦にキュッと伸びていたはずのおへそが、重力に負けて横に広がり、まるで口を真一文字に結んだおじいちゃんや力なく笑っているおばあちゃんのような表情になっている。
体重はそこまで変わっていないのに、おへその形が変わるだけで、一気に老けて見えますよね。
「これはヤバい」と思って腹筋運動を始めたものの、首が痛くなるだけでお腹は凹まない…そんな経験はありませんか?
実はその「横へそ」、腹筋運動では治りません。
むしろ悪化させている可能性があります。
今回は、40代特有の「横長おへそ」の原因であるアコーディオン腹の正体と、お腹を縦に引き伸ばして「縦へそ」を取り戻すピラティスをご紹介します。
結論:横へその原因は「アコーディオン腹」
結論から言います。
あなたのおへそが横に潰れているのは、脂肪のせいだけではありません。
お腹の皮膚が縦に押し潰され、アコーディオンのように折り畳まれてシワになっているからです。
40代になると、肌の弾力が低下し、一度ついた折り目が戻りにくくなります。
いわゆる「形状記憶」されてしまっている状態です。
そこに、デスクワークやスマホによる「長時間の猫背」が加わるとどうなるでしょうか?
上からは落ちてきた肋骨が、下からはたるんだ内臓が、おへそを上下からプレスします。
この圧力によって、おへそが「横に長いシワ」として定着してしまったのが、横へその正体です。
わかりやすく比較してみましょう。
| 若い頃のお腹 | 40代のアコーディオン腹 | |
|---|---|---|
| 皮膚の状態 | ハリがあるゴム | 伸びきったシャツ |
| おへその形 | 縦長(I型) | 横つぶれ(ー型) |
| 原因 | 特になし | 猫背プレス+たるみ |
つまり、必要なのは「脂肪を燃やすこと」よりも、潰れたアコーディオンを縦に引き伸ばすことなのです。
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腹筋運動が「横長おへそ」を悪化させる理由
「お腹を引き締めなきゃ!」と、体育の授業で習ったような上体起こし(クランチ)をしていませんか?
寝転がって、フンッと勢いよく頭を起こす、あの運動です。
残念ながら、横へそでお悩みの方には逆効果です。
1. シワを深く刻んでしまう
一般的な腹筋運動は、背中を丸めてお腹を「縮める」動きです。
想像してみてください。
ただでさえ潰れているアコーディオンを、さらに上からギュウギュウと押し縮めているようなものです。
これでは、おへその横シワを、より深く刻み込んでいるのと同じことなのです。
やればやるほど、おへそは横に笑っていきます。
2. 「太鼓腹」を作るリスク
ピラティスで最も重要なのが、息を吐いてお腹を薄くする「ドローイン」という技術です。
この力が弱いまま腹筋をすると、筋肉は圧力の逃げ場を失い、外側に向かって盛り上がります。
表面の筋肉(腹直筋)だけが肥大し、中は内臓でパンパン。
結果として、カチカチに硬いけれど、ポッコリ出ている太鼓腹が完成してしまいます。
40代が目指すべきは、ムキムキの腹筋ではなく、コルセットのように締まった薄いお腹ですよね。
40代のへそを縦に戻す「引き上げ」ピラティス
目指すべきは、「縮める」のではなく伸ばす(エロンゲーション)こと。
お腹の内側に空間を作り、皮膚にアイロンをかけるようなピラティスを3つご紹介します。
どれも「お腹を薄くしたまま」行うのがポイントです。
1. スワン(お腹のアイロンがけ)
縮こまったお腹の皮を、縦に気持ちよく伸ばすエクササイズです。
猫背で落ちてきた肋骨を、元の位置にリフトアップします。
デスクワークの合間にもおすすめですよ。
やり方
- うつ伏せになり、両手を肩の横に置きます。
足は腰幅に開きます。 - 息を吸いながら、手でマットを軽く押し、胸を前へ引き出すように持ち上げます。
- この時、腰を反るのではなくみぞおちからおへそまでを縦に伸ばす意識で。
- 目線は遠くの斜め前を見ます。
顎を上げすぎないように。 - 息を吐きながら戻ります。
8回繰り返しましょう。
2. ロールアップ(スペースを作る)
一見すると腹筋運動に見えますが、目的は全く違います。
背骨を一つずつ剥がすことで、潰れたお腹の中にスペース(空間)を作ります。
勢いをつけると意味がないので、ゆっくり動くのがコツです。
やり方
- 仰向けになり、両手を天井へ伸ばします。
- 息を吐きながら、頭から順番にシールを剥がすように背骨を持ち上げます。
- この時、お腹は薄く凹ませたまま!
内臓を肋骨の中にしまい込むイメージです。 - 起き上がったら、息を吸って背筋を伸ばし(ここで最大限にお腹を伸ばす!)、また背骨を一つずつマットに戻していきます。
- 5回繰り返します。
起き上がれない人は、背中にクッションを置いてもOK。
3. ペルビックカール+内もも締め(内臓の底上げ)
骨盤底筋を使って、下から内臓を持ち上げます。
おへその下(下腹)のぽっこりに最も効果的です。
内ももを使うと、自然と下腹に力が入りやすくなります。
やり方
- 仰向けで膝を立てます。
膝の間にタオルやクッションを挟みましょう。 - 内ももをギュッと締めながら、息を吐いてお尻を持ち上げます。
- 膝から肩まで一直線になったらキープ。
- 内ももとお尻の穴を締めることで、内臓がエレベーターのように上がっていくのを感じてください。
- 背骨の上から順番に下ろします。
10回繰り返します。
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まとめ:プロの指導で「縦へそ」は作れる
おへそが横に潰れるのは、年齢のせいだけではありません。
体の使い方が「縮める方向」に偏っているだけなのです。
アコーディオンを伸ばせば、おへそは必ず縦に戻ります。
ただ、お腹を凹ませながら動く「胸式呼吸」や、背骨を一つずつ動かす感覚は、自己流ではなかなか掴みにくいのも事実です。
間違った腹筋で時間を無駄にする前に、一度プロに「私の骨盤、今どうなってますか?」と聞いてみてください。
オンラインレッスンなら、自宅にいながら画面越しに姿勢をチェックしてもらえます。
「あ、今お腹が伸びましたね!」
その正しい「引き上げ」の感覚を一回でも体感できれば、鏡を見るのが怖くなくなりますよ。
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