静まり返ったスタジオ。 インストラクターの「背骨を一つずつマットにつけて〜」という声に合わせて、足を頭の後ろに持っていく「ロールオーバー」の動きをした、その瞬間。
お腹の底から「ゴロゴロ…ッ(プッ)」という不穏な音。
「やばい、出ちゃった…!」 「私だけ? お腹緩いのかな…」
顔から火が出るほど恥ずかしい思いをして、その後のレッスンに全く集中できなくなってしまった経験、ありませんか?
安心してください。実はこれ、体の構造上、誰にでも起こりうる避けられない生理現象なのです。
この記事では、なぜピラティスだとガスが出やすくなるのか、その「医学的なメカニズム」と、現役インストラクター達が実はどう思っているのかという「現場の本音」、そして明日からできる「具体的な予防策」を徹底解説します。
これを読めば、もうレッスン中に冷や汗をかくことはなくなりますよ!
結論:おならは「インナーマッスル」が正しく使われたサイン
結論から言います。 ピラティス中におならが出るのは、あなたが「腹圧(ふくあつ)」を正しくかけられているからです。
恥ずかしい失敗どころか、ピラティスの医学的な観点で見れば「ナイス!お腹が正しく使えていますね!」と言われるべき瞬間なのです。
とはいえ、大人の女性として人前での失敗は避けたいもの。
まずは「なぜ出るのか」を知ることで、過度な不安を解消しましょう。
なぜ出る?ピラティス特有の「ガス発生メカニズム」
「ヨガや筋トレでは大丈夫なのに、なぜピラティスの時だけ?」と疑問に思う方も多いでしょう。
実は、ピラティスにはガスが出やすくなる3つの条件が完璧に揃ってしまっているのです。
1. 「腹腔内圧(IAP)」の上昇
ピラティスの呼吸法(ラテラル呼吸)や動きは、常に腹部を締め、お腹の中の圧力(腹腔内圧)を高めた状態で行います。
パンパンに膨らませた風船を外側からギュッと押すと、空気が出口を探して漏れ出そうとしますよね?
人間の体でも全く同じことが起こります。
つまり、真剣にお腹を使えば使うほど、ガスは押し出されるのです。
2. 「転がる動き」による物理的マッサージ
ピラティス特有の「ローリング・ライク・ア・ボール」のような背中を丸めて転がる動き。
これは腸にとっては最強のマッサージです。
固まっていた腸が物理的に揺すぶられ、溜まっていたガスが「ところてん」のように出口へと移動します。
便秘解消には最高ですが、レッスン中は冷や汗ものですよね。
3. 副交感神経へのスイッチ
深い呼吸を繰り返すことで、自律神経が「リラックスモード(副交感神経優位)」に切り替わります。
すると、緊張で止まっていた腸の蠕動(ぜんどう)運動が活発になり始めます。
「お腹が鳴る」「ガスが出る」のは、心身がリラックスできた良い証拠なのです。
| 種目 | おならが出る主な原因 |
|---|---|
| ヨガ | ねじりのポーズ + リラックス効果 |
| 筋トレ | 瞬発的な強い「いきみ」 |
| ピラティス | 持続的な腹圧 + 転がる物理刺激(一番出やすい!) |
インストラクターの本音「ぶっちゃけ、どう思ってる?」
ここだけの話、私たちが一番気にしているのは「先生や周りにどう思われたか」ですよね。
多くの現役インストラクターがSNSやブログなどで発信している「現場の本音」をまとめてみました。
Q. 生徒さんがおならをしたら、正直どう思いますか?
A. 「あ、腸が動いてるな。良いことだ」としか思いません。
これは多くの先生が口を揃えて言っています。
インストラクターは解剖学を学んでいるので、腹圧がかかればガスが出るのは「くしゃみ」と同じ生理現象だと理解しています。
むしろ、おならを我慢してお腹に力が入らなくなるほうが、ピラティスの効果を半減させてしまうので「もったいない!」と感じるそうです。
Q. クラスの雰囲気、悪くなりませんか?
A. プロが全力でカバーしてくれます!
もし大きな音が鳴ってしまっても、先生たちはプロです。
さりげなくBGMの音量を上げたり、「はい、ナイスムーブメント!お腹動いてますねー!」と声をかけて、「恥ずかしい空気」を作らないようにフォローしてくれます。
なので、私たちは安心して先生に身を任せて大丈夫なのです。
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これで安心!レッスン前の「ガス抜き」予防策3選
生理現象とはいえ、エチケットとして防げるなら防ぎたいもの。
レッスン直前でも効果がある、即効性の高い予防策をご紹介します。
1. 食事は「2時間前」までに完了させる
胃の中に未消化の食べ物があると、動いた時にガスが発生しやすくなります。
どうしてもお腹が空いたら、消化の良いゼリー飲料やバナナ程度に留めましょう。
2. 当日は「高FODMAP食品」を避ける
「体に良いから」と食べているものが、実はガスの原因かもしれません。
腸内で発酵しやすい「高FODMAP(フォドマップ)食品」は、レッスンの日は控えめにしましょう。
- 避けたほうが無難:
納豆、小麦製品(パン・パスタ)、玉ねぎ、牛乳、りんご、人工甘味料(ガムなど) - おすすめの食事:
ご飯(お米)、お肉、魚、卵
特に「レッスン直前のガム」は要注意!
噛むときに空気も一緒に飲み込んでしまい、それがそのままガスになります。
3. ロッカールームで「ガス抜きポーズ」
着替えのついでに、更衣室やトイレで軽く前屈をしたり、膝を抱えるポーズをしておきましょう。
事前に出し切っておくのが、精神衛生上もっとも効果的です。
万が一「出てしまった」時の神対応マニュアル
いくら対策しても、出る時は出ます。
人間だもの。
もしレッスン中に「プッ」と音が鳴ってしまったら、どうするのが正解でしょうか?
正解は「スルー」一択。
一番スマートなのは、何事もなかったかのように動き続けることです。
周りの人も自分の動きに必死で、案外聞いていません。
もし目が合ってしまったら、小さく「すみません」と微笑むだけでOK。
絶対NGなのは、パニックになって動きを止めてしまうこと。
「恥ずかしい!」と体を硬直させると、余計にお腹にガスが溜まります。
「私、内臓が超健康だわ」と心の中で開き直り、涼しい顔でエクササイズを続けましょう。
その堂々とした姿こそが、大人の余裕です。
どうしても不安な日の「究極の解決策」
「今日はどうしてもお腹が張っている気がする…」 「生理前でガスが溜まりやすい…」
そんな日は、無理してスタジオに行かずに「自宅ピラティス」に切り替えるのも賢い選択です。
自宅なら、誰にも気兼ねなく「おなら出し放題」です。
むしろ、「出してもいい」という安心感があると、変な緊張が解けて、逆におならが出にくくなったりするもの。
オンラインフィットネスの「SOELU(ソエル)」などであれば、自宅にいながらプロの指導が受けられます。
カメラオフ機能やミュート機能を使えば、どんな音を出そうが、どんな格好をしていようが自由です。
「今日はガス抜きデトックスの日!」と割り切って、自宅で思いっきり体を動かす。
そんな柔軟な使い分けができるようになれば、あなたのピラティスライフはもっと長く、楽しいものになるはずです。
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まとめ
ピラティス中のおならは、あなたが真剣に体と向き合っている「勲章」のようなものです。
- おならが出るのは、腹圧が正しく機能している証拠。
- インストラクターは「日常茶飯事」として全く気にしていない。
- 当日は「豆・小麦・ガム」を控えて、2時間前までに食事を。
- 調子が悪い日は、自宅で「デトックス・ピラティス」を楽しもう。
もう、「出るかも…」とビクビクしてレッスンを受けるのは終わりにしましょう